| 過去に「リレーエッセイ」掲載されたエッセイです。 | ||
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| 会長就任にあたって |
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株式会社アシックス |
| 取締役会長 鬼塚 喜八郎 |
| 2000.1.19 |
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2000年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。 昨年の我が国の経済動向をみますと、長期不況の続くなか、大企業を始めとする企業のリストラや地場中小企業の倒産等に依る失業率が高水準に推移し、その上個人消費は低迷し、政府の景気浮揚のため積極的投資が行われたものの依然厳しい状況でありました。 しかし乍らスポーツ界を振り返ってみますと、野球にサッカーにバレーに水泳にと様々な種目で新人の大活躍が見られ、多くの産業人を勇気づけてくれました。プロ野球では、西武の松坂選手、巨人の上原選手という二人のゴールデンルーキーの活躍で大いに盛り上がりました。或いは、サッカーの世界選手権大会では22歳以下の選手で優勝戦に残る等、多くの人々に感動を与えてくれました。八方ふさがりとも思われる日本経済にあって、少なからず明るさをとり戻しました。活躍する選手達をサポートする我々スポーツ産業人達の起爆剤にしなければなりません。 さて、先の日本スポーツ産業学会第9回総会に於いて、故人となられた前中村金夫会長の後任として会長を引き受けることになりました。会員の皆様には、何かとご指導を賜りますようお願い申し上げます。 本学会は他の学会と異なり、特定分野の学問研究の学会ではありません。会則の第2条にありますように「スポーツ産業に関する調査・研究を促進し、会員相互の交流を深めスポーツ産業の健全な発展と国民のための豊かなスポーツ環境の醸成に資す」ことを会の目的としています。本学会は「産」「官」「学」の協力、さらには消費者を巻き込むことに依り、境界領域を越えた学会として位置づけられるのではないかと思われます。 21世紀は「知恵の時代」とも言われ、産・官・学で協力し、英知をしぼり、健康産業の発展に資し、以て人々の健康福祉を増進し、国民のより豊かなスポーツ環境にするため、新しい生活スタイルを提言してゆかねばなりません。堺屋経済企画庁長官も、「消費者問題が大変重要な時代で、これまでは官僚が主導の規格を決め、民間企業がそれをみんなでつくるという大量生産社会でありましたが、規制緩和により最近では消費者に選択の自由が得られるようになりました。選ぶ権利を大切にしていかなければなりません」と述べられています。 スポーツ用品産業もなかなかモノが売れない時代となりました。スポーツは「する」ものではなく、「見る」ものになったからだと短絡的に思われがちでありますが、そうではなく、「なぜ」と考えることに依り、消費者がものを選ぶ条件をよく考え、「する」「見る」「買う」だけではなく「ささえる」など、いろいろな参与の仕方に依り、売れるものが作れるようになるのではないでしょうか。確かに消費者の目が厳しく、賢くなったことを再認識してゆかねばならないと思います。また、小子高齢化問題が深刻化する現在、健康が大きなキーワードとなり「健全なる身体に健全なる精神が宿れかし」の格言が教える如く、我々産業人は、人々が心身共にすこやかになるため、生涯スポーツによる、ニューライフスタイルを推進し、物心にわたりサポートし、よきコンサルタントとしての集団でありたいと思いますし、またそのためにニュースポーツの更なる普及に努めてゆきたいと思います。最近は小中高校生の登校拒否、構内暴力の多発、遂には犯罪行為を犯す子供が出るなど、憂慮すべき事態になっております。我々スポーツ産業人は、進んで老若男女が自由に参加できる、コミュニティ総合スポーツクラブの設立を推進し、スポーツを通じて地域社会に貢献してゆくことが21世紀への課題であります。 本学会は産・官・学の総智を大いに活用しながら、今後国民のニーズに答え発展してゆかねばなりません。その点、学会員各位の皆様とともに創り上げ、”2000年”を21世紀に向かう総仕上げの年としたいものだと願うものです。 |
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